韓国映画『非常宣言』を観てきた。軽くレビューする。
飛行機パニック映画が好きなオレとしては見に行かないわけにいかなかった。
ネタバレありんすだ。
あらすじはこうだ。
すでに離陸したハワイに向かう飛行機内で致死率40%のウイルスが蒔かれるバイオテロが発生。
潜伏期間は極めて短く、感染した人は身体に水疱が現れ、重症化すると血を吹き出す。
乗客、乗務員だけでなく、機長まで次々と感染し、機内は阿鼻叫喚に。
飛行機に乗った人たちの運命はいかに、果たして無事に生還できるのか?!
という話。
リアルな飛行機のすさまじい映像の迫力と、重厚な音楽とともに非常に楽しむことができた。
特に、飛行機が回転してスチュワーデスやら乗客やらが天井に張り付いてしまうシーンは大迫力だ。
実際に、飛行機の模型を作って役者ごと回転をさせて撮影したらしい。
役者も映画パラサイトの大きい人ソンガンホと、イビョンホンが熱く演じている。
未知のウイルスに脅かされた人の心情の描き方もすさまじい。
その最たるものが、感染した人とそうでない人を機内で区分けするときのシーンだ。
感染した人は身体に水疱ができるから、すぐに分かる。
水疱と間違われてアトピーなだけの子供を機内の後方に移そうとするのだが、感染を恐れた乗客の人がまさにアレなことを言う。
「全員感染したらどうするんだ!みんなを守るためだ!」
もうね、この3年間何度こんなことを聞いてきたか。
この人は口に布をぴったり当てても手袋もしてたのに結局感染するんだけどね。
こんな狭い機内で区分けして、人を腫れ物扱いしても意味ないでしょと思う。
そう、実はこの映画はまさにコロナの騒動があったからこそ、描けた。
未知のウイルスにさらされたとき、人はどのように選択し、行動するか。
人のためだと言っておきながら自分のためになっていないか、
実は、日本も登場する。
着陸直前にハワイに着陸拒否された飛行機は、燃料が不足する可能性があるため日本の成田空港に着陸をしようとする。
だが、厚生労働省の遺憾砲が炸裂する。
「未知のウイルスで国民を危険に晒すわけにはいかない。潜伏期間の短くなった変異したウイルスの可能性があるから、ワクチンも効かない可能性がある。」
着陸を拒否して、自衛隊の戦闘機が飛行機を撃墜しようとしてくるのだ。
スペクタクルなシーンだ。
韓国上空に戻ってきても、世論でも着陸を反対する声が支持する声を上回る。
追い詰められた飛行機内の人たちは、自分たちが感染させるわけにいかないから、全員で着陸しないことを決める。
そのときに、皆が家族に別れのビデオ電話をするのだが、感涙ものだ。
このあとどうなるかは、実際に観に行ってもらった方がよいな。
情報を隠避(いんぺい)しようとする悪徳な製薬会社も登場するぞ。
ツッコミどころも満載だが、パニックものとしてしっかり楽しめる。
反ワク的な所感としては、やっぱねえ、感染が広がったらジタバタしてもしょうがないよねって感じ。
冷静に現状を見つめさいな。機内で感染者とそうでない人の区分けをしたり、口を布みたいなので覆ったり、人を腫れ物扱いしても無意味だ。
叫び狂ってもどうしようもないし、人を蹴落として、自分たちだけ助かろうとするような真似をすることがいかに醜いか。
冷静に助け合って最適解を選択しなければいけないわけよな。
致死率40%ならぬ、0%のコロナに過剰に狂ってる日本人は選択を間違え続けていないか、まだまだ間違い続けるんだろうな。
それではーーーまたーーーー。